マイクロキャッスル

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サマーソニック2016

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 9月に突入してしまいましたが、先月行われたサマーソニックに行ってきました。なんだかんだで毎年行ってますね。行きつけの美容師さんに「今年も行くんですか?」と訊かれるようになってしまいました。今回は東京二日目のチケットを使ってホステスオールナイターから参加しましたが、何度も「体力の限界...!」と声を絞り出す千代の富士が脳裏に浮かんだので、今後のフェス参加については縮小もやむをえない状況かと思います。しかしライブ自体はレディオヘッドを筆頭に思い出深い体験になりましたし、心配していた天気も崩れることなく、かなり「最高の夏」感ありましたね。一人で行っていることを除いては。

 深夜トップバッターのディアハンター、そういえば昨年はキャンセルだったんだよな。最近のライブについて評判は耳にしていたのだけど、特有の夢見心地な浮遊感は減退し、パーカッションとサックスが加わったことでかなりファンキーに変貌を遂げていました。特にオープニングの"レインウォーター・カセット〜"や"リビング・マイ・ライフ"は音源とはかなり趣の異なったアレンジで楽しめました。あとは想像どおり"スネイクスキン"がライブ映えして最高。

 ディアハンター以上に楽しみにしていたのはサヴェージズとアニマル・コレクティヴだったのだけど、ドラゴン怒りのタイムテーブル被りだったので半分ずつ見た。私も疲れていたし、いろいろな要因はあると思うのだけど、両方とも期待値を超えてくるものではなかったかな...。

 二日目は、最悪レディオヘッドさえ見られればいいと思っていたので、キングが始まる午後4時ごろにようやく会場入り(メタファイブ見たかったな)。キング、とにかく曲が良くて踊りやすいので、サマソニで初めて聴いたという人も楽しめたのでは。欲を言えばもう少し3人のコーラスのハーモニーを聴かせて欲しかったでキング。

 その後、バッドバッドノットグッドを見にガーデンステージへ。何年もメッセの中に引きこもっていたので、ステージがある場所すらよく知らなかったのだけど、海風が気持ち良くてあまり陽も照っていなかったので、快適でした。BBNGは事前にユーチューブでチェックしたとおりのセットリストで、定番のフライング・ロータスのカバーもやってたし、盛り上がってないこともなかったけど、屋内で聴くとまた違うのかな、という感じもしました。

 レディオヘッドの始まる一時間前にマリンステージに着いたのだけど見積もりが甘すぎた。「とりあえずスタンドで座ってゆっくりするか〜」と階段を上ってみれば既に下から上まで人でギッチギチ。マリンのトリなんて2007年のアークティック・モンキーズ以来で、こんなに埋まっているなんて想像だにしなかったから呆然、というか引いた。トリ前がサカナクションと言うのも人口増加に拍車をかけていて、なんとかスタンドの手すりにもたれかかることができた私は、なんか和太鼓とか舞妓さんとかが登場するステージを見ながら、「どこへ向かっているんだサカナクション...!」と思ったり思わなかったり。

 結局20分ほど押して始まったレディオヘッド。ストリングスを轟音ギターに置き換えた"Burn the Witch"からスタートし、5曲目まで新作の曲順をなぞる怒涛のセットリスト。ステージに設置されたパネルの映像やライティングと、演奏との同期が本領を発揮してブチ上がったのが続く"2+2=5"。アンコールでの"Bodysnatchers"もそうでしたが、「レディオヘッドがロックバンドしてる!」という、新鮮な驚きがありました。『OKコンピューター』から披露された3曲("Airbag"、"Let Down"、"No Surprises")は結構なレア度だったらしく、盛り上がりは特に大きかったですね。私は『イン・レインボウズ』大好きマンなので、"Reckoner"や"Nude"を聴けたのが嬉しかったです。そして、淡い期待を抱いていたら本当に演奏されてしまった"Creep"。イントロが始まった瞬間は思わず笑ってしまったのだけど、会場全体がシンガロングするとこんな雰囲気になるんだなあ、と初めての体験に涙ぐんでしまいました。生の「ガガッ」を聴けて幸せでした。トム・ヨークはMCでずっとフガフガ言っていて本当に訳がわからなかったのだけど、上機嫌だったようなので良しとします。最後に打ち上げられた花火が最高の夏を象徴し過ぎていて、思いのほかグッときてしまいました。隣に女の子がいれば完璧だったんだけどな。

 大阪では"Karma Police"や"There There"、"Pyramid Song"、"Weird Fishes/Arpeggi"などがプレイされたようで、無い物ねだりとはいえ、こっちもかなり羨ましいですね...。2008年の『イン・レインボウズ』ツアー以来2度目のライブでしたが、フェスにもかかわらず2時間のセットを用意してくれて、このために千葉まで行った甲斐がありました。おかげで今年の夏を全肯定できそうな気がします。

A MOON SHAPED POOL

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