マイクロキャッスル

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『インターステラー』とグラビティ

 クリストファー・ノーラン監督作品、『インターステラー』を観た。169分の上映時間が気にならないほど、壮大で濃密なSFアドベンチャーだった。時間や距離、次元さえ隔てながらも互いを想い合う、父から娘へ、娘から父への愛の物語であり、強く胸を打たれた。

 劇的な環境変化によって、寿命が尽きかけている未来の地球。新たに発見された宇宙のワームホールを利用し、居住可能な新たな惑星を探すという、生きて帰れるかわからない重大な使命を担う壮大な旅に、まだ幼い子供を持つ元エンジニアの男(マシュー・マコノヒー)と、数少ないクルーが選ばれる。人類の限界を超え、不可能にも思える史上最大のミッションのため、前人未到の未開の地へ旅立った一行は、自らの使命を全うし、愛する家族の元へと生還することができるのか……。

 

インターステラー | Movie Walker

 予告を見て、人間ドラマの側面が強い映画なのかと多少心配もしながら映画館へ足を運んだ。しかし、もちろんストーリーを貫いているのは父娘の物語なのだけど、スクリーンで展開された映像はまごう事なきSFアドベンチャーだった。最新科学に基づいた可能な限りリアルな宇宙空間を映像化し、その先の未知なる世界も懸命に描き、その上に人間ドラマも乗っけて泣かせにかかってくる。そんな欲張りな、ノーラン監督の理想主義的な人間性が感じられる内容。めちゃくちゃな大風呂敷を広げた映画だけど、大成功していたと思う。最高だった。ストーン・オーシャン連載時の有名なアオリ文になぞらえると、「重力、即ち愛(ラブ)!!」という感じだ。

 そして、元ネタとなった『2001年宇宙の旅』を見返したくなった。あれいつも途中で寝てしまって通しで見れたことないのだけど、どうにかならないものか。

インターステラー (竹書房文庫)

インターステラー (竹書房文庫)