マイクロキャッスル

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グズムンズドッティル・イン・ザ・ダーク

 ビョーク・グズムンズドッティルおばさんの新作『ヴァルニキュラ』が素晴らしい。プロデューサーに新鋭アルカとハクサン・クロークを迎えたことが完全に功を奏しているように見える。特にアルカは相当に信用されていたのか9曲中7曲をプロデュースしており、かなり存在感が強いのだけど、もともと前衛的なビートを得意とするビョークとの親和性が高く、上手く溶け合っていると思う。デス・グリップス作品でのボーカルサンプリングや、「ネクスト・ビョーク」と評されたFKAトゥイグスのデビューアルバム、そしてもちろんアルカのブレイクスルーを経て、タイミング的にもばっちりなところでの、この傑作投下。最近は停滞してる感じだったので少し舐めてたんだけど、これは絶賛せざるを得ない。アルカが関与していないオープニングトラック "Stonemilker" が結局一番好きという説もある。

 誰の得にもならない話だけど、ビョークとかシガー・ロスを好きな人って「彼らを好きな自分が好き」感が強い気がして昔から苦手だった。それが影響したのかしないのか、ビョークといえば私の中ではダンサー・イン・ザ・ダーク』のイメージが最も強く、彼女の音楽はあまり真剣に聴いていなかったのだけど、最近『ポスト』と『ホモジェニック』を聴き直したら今でも鮮烈に迫ってくるものがあって、彼女を崇拝している人々に対して納得がいったので、あのとき「お前さては音楽好きじゃあないな?自分に酔ってるだけだろ?」とか心の中でディスってごめんなさい、という感じだ。そして完全にとばっちりなシガー・ロス

Vulnicura

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