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マイクロキャッスル

Try to Describe It All

君が歌えなかった歌を燃やそう

 5月の時点で室内の温度計が30度を示しているのはマジで悪い夢なんじゃないかと思う。なんでもNASAによると「2016年は史上最も暑い年」だそうで。職場では「まだ冷房をつけるような時期じゃない」という暗黙の圧力があり、日中は汗を滲ませながら机に向かっているのですが、さらに先日から建物内の改修工事が始まり、壁をぶち抜いたり木材を切断するけたたましさに電話も聞こえない状態で、しばらくは忍耐の日々が続きそうです。

CALL

 ここのところ、新しく出たアルバムはアップルミュージックで聴くことがほとんどですが、澤部渡のソロプロジェクトであるところのスカートの『CALL』は配信されていないかったので、6億年ぶりにCDを買った。「Mステ」に出演して新曲を披露したスピッツの後ろでタンバリンを叩き口笛を鳴らしていた彼の重量感はたちまち(ネット上で)話題となり、そのおかげで翌週もわずかにVTR出演していたのは興奮を覚える出来事であった。そのVTR自体は番組のテーマ曲を演奏するだけの(企画として)しょうもないものだったが。アルバムの宣伝くらいさせてあげればいいのに。

CALL

CALL

 

 スカート、評判は聞いていながらなんとなくスルーしていたのだけど、ある日、ツイッターか何かで流れてきた、彼がカバーしたSMAPの"FLY"の音源を聴き、アコギによる雄弁なアレンジに惚れ込んでしまった。そもそもの曲が良いということもあり、個人的なSMAP再評価の契機ともなった一石二鳥ソングとして、カラオケの十八番にしていきたい。このカバーは実際にライブでも演奏しているらしく、今回のアルバムには少なからず影響を与えているのかもしれない。

 胸を締め付けるような歌謡曲・シティポップ調の曲から、ピアノやストリングスを引き連れたSSW的なアコギの弾き語り、直球のギターポップ/ロックまで、良質なメロディを持った12曲が詰まったアルバムです。聴いていて引っ掛かりを覚えるのは、Aメロ・Bメロ・サビといったようなポップミュージックの定型から、楽曲の構造を意識的にはみ出させていること。ヴァースだと思っていたらいつの間にかコーラスに突入しているような、継ぎ目なしに各パートを繋ぐソングライティングのセンス。それが、スカートと他のインディミュージシャンとを画す一線なのかな、と。私が言うまでもないですが、これは売れるべき。