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マイクロキャッスル

Try to Describe It All

マゾヒストと魔女狩りと白日夢

マゾヒスト

 先日、フルマラソンの大会に出場し、二度目の完走を果たしました。この大会に出場し続けている知り合いのおじさんが、レース後「今までで一番きつかった」と語ったのは、その日、全国的に猛威を振るった強風が終始ランナーの前に立ちはだかったからで、完走者も例年に比べて少なかったよう。飛ばされないよう体を傾けて走らなくてはならず、同じ距離走るのにも通常の1.5倍くらいエネルギーを使うような感じで、あまりのひどさに笑ってしまうほどだったが、笑えたのは最初だけで、後半はただただムカついていた。走る方向によっては追い風になることもあるはずなのだけど、ほとんどが向かい風だったような気がする。マジでなんだったんだ。

 スタート後、市街地を抜けた辺りから暴風が容赦なく吹き付け、全く止む気配がないのに加え、十数キロ地点からは雨が降り出し、そのため身体が急激に冷えてしまった。そういった悪天候に備えて薄手のレインジャケットや大きなビニール袋で作った簡易カッパを携行するのがセオリーなのだけど、気象予報士よりも自信たっぷりに「雨は降らないはず」と天気を予測した私は、それらを持ってきていなかった。身体を冷やした結果、腹痛や尿意に苛まれることになったので、見通しが甘いというか、自業自得というほかない。天候を決めつけるなどという、自分を神と勘違いしたかのような勝手な行いは、今後一切控えることをここに誓います。

 それでも、今回はトレーニングを積んできた自信があったし、実際折り返し地点までは順調に来ていた。が、30キロ手前で急に脚が止まってしまい、大きくペースダウン。ゼリーなどの補給食はこまめに摂取していたのでエネルギー切れというわけではなく、単純にフルを走るための脚の筋力が足りなかったということなのだと思っている。時間を作ってこまめにランニングしていたので、一生懸命練習しているつもりでいたのだけど、一回に走るのはせいぜい10キロ程度で、それ以上の長い距離はほとんど走らなかったことが一つの原因なんじゃないかと、完全に素人考えだけど分析している。一緒に走った友人は仕事が忙しく、週に一度も練習できなかったと言っていたにもかかわらず私より早くゴールしたので、結局は素質の問題かよ、とふてくされたりもしたけれど、私は元気です。

 今回は経験したことがないほど過酷な環境で、何度も心が折れそうになったのだけど、レースを終えてみるとまた来年への闘志がふつふつと湧いてくるあたり、生まれついてのチャレンジャーまたはマゾヒストであることを自覚せざるを得ない。

魔女狩りと白日夢

 何を差し置いてもこのニュースでしょう。レディオヘッドの新曲二つが公開され、ニューアルバムも日曜日に配信されるようです。小刻みに弾かれるストリングスが印象的な"Burn the Witch"は、そのタイトルとストップモーションビデオの不穏なストーリーとを結びつけて、中身を解き明かしたくなる意味深な曲。優しさと悲しみを行き来するようなピアノの旋律にずっと浸っていたくなる"Daydreaming"は、ポール・トーマス・アンダーソンの映像美が炸裂するビデオと合わさって最高です。浮浪者めいた格好のトム・ヨークが次第にピース又吉に見えてくることだけが気になります。

 二曲だけで判断すると、『キッドA』や『アムニージアック』のその先を見ることができそうなアルバムとなっている気がするので、非常に楽しみです。それにしても、今年は大物の新作リリースが続いていて、どうなっているんだ2016年、という感じ。

Kid a

Kid a