マイクロキャッスル

Try to Describe It All

ロブスターとホイットニー

ロブスター

 先日、東京に住んでいた頃のバイト仲間たちと5年ぶりに再会してきました。「変わらないねー」なんてベタなやりとりをしつつ、お互いの近況を報告しあったり、あの頃を振り返ったりしましたが、学生だった我々も20代後半ということで、既婚者もいれば、すでに離婚を経験している強者もいました。家族を養うには給料が足りないとか、留守中に洗濯物を溜めて妻に怒られたとか、仕事に対する価値観が夫と合わないとか、そんな話をしながら、みんなそれぞれ生きているな(?)と感じ、ハイボールを飲みすぎた夜でした。

 翌日、空いた時間に新宿で『ロブスター』を観ました。変な映画でした。独身者はとあるホテルに強制収容され、そこで45日以内に伴侶となる相手を見つけなければ動物に変えられてしまう、というディストピアな近未来が舞台です。ストーリー後半ではホテルから森へと脱走しますが、同じように逃げてきた独身者が集団で生活しており、今度は恋愛禁止という掟を突きつけられる羽目に。

 設定自体がぶっ飛んだものなので、その世界のルールに従って行動する人々はとてもシュールで滑稽に映りますが、それが笑えるかというと人によっては紙一重で、ホラーですらあるという感じ。映像やサウンドが作り出す雰囲気はとても好みだし、舞台設定も面白いのだけど、人には薦めにくいかも。少なくとも恋人と観に行く映画ではない。しかしながら、前日に結婚観について様々な意見を聞いたタイミングだったこともあってか、観終わった後もずっと考え込んでしまう、不思議な魅力のある作品でした。積極的に居心地の悪くなりたい方には是非観てほしいです。

 ちなみにこの物語の主人公は、動物になるならロブスターがいいと言うのですが、私だったら普通に犬がいいです。女子大生に飼われる犬がいいです。

ホイットニー

 スミス・ウェスタンズを脱退したマックスが立ち上げた新バンド、ホイットニーが素晴らしいです。彼が抜けたことでバンドは解散を余儀なくされてしまった、という事情があるらしいので「マックスてめーこのやろう」などと思うところもありますが、ボーカルのカレンもソロ作をリリースしましたし、過去のことは水に流して、今はそれぞれを応援したい気持ちです。でも正直マックスのバンドの方が良さそうなんだよなあ。

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