『アップル・ミュージック』がサービスを開始しましたね。3ヶ月のトライアル期間があるので、とりあえずやらない手はないでしょう。初めて定額のストリーミングサービスを体験したのですが、ちょっと価値観が揺らいでしまうくらいのショックを受けました。月額980円で数千万曲が聴き放題だなんて、とんでもない時代が到来してしまったなあ。アーティストへはどうやって還元されるのだろう。かがくのちからってすげー!
今年も半分が終わりました。早い。この前半で気になった曲をまとめました。
A$AP Rocky - L$D
アメリカのヒップホップ・アーティストの新作から。タイトル通り、多幸感と浮遊感に満ちたトラックで、穏やかなロッキーの歌声が印象的。この夢が一夜限りのものと気付いている寂しさが常に漂っているのが切ない。日本で撮影されたと思しきシームレスなビデオも良い。
カナダのシンガーの三枚目から。アウル・シティとの『グッド・タイムス』しか知らなかったのだけど、ブラッド・オレンジことデヴ・ハインズがプロデュースしたこの絹のようなバラードが素晴らしい。アッパーな曲の多いアルバム中で一際存在感を放つ屈指の名曲です。
Ducktails - Headbanging in the Mirror
リアル・エステイトのギタリストでおなじみマット・モンデナイルのプロジェクト、もうすぐリリースの新作から。ダックテイルズになると、本隊よりも若干マイナー調に憂いを帯びるのが良いですね。
Hot Chip - Need You Now
イギリスのエレポップ玄人集団の6枚目から。黒人女性が "I Need You Now" と叫ぶ、アルバム中で最もエモーショナルなハウストラック。
サンフランシスコのフォーク・ミュージシャンによる2作目から。奥行きのない歌声が蠱惑的に耳を惹きつける、穏やかで感傷的な夜の気配漂う一曲。
Natalie Prass - Bird of Prey
アメリカのSSWによるデビュー作から。跳ねるピアノに澄んだストリングス、軽やかなフルートが心を弾ませるチャンバーポップ。ちなみに "bird of prey" はタカやワシなどの猛禽類を意味するそうです。
ドイツのアンビエント/現代音楽家が今年フリーでリリースした新作から。打鍵音も一緒に壁となって迫り来るピアノの連打はむしろパーカッションに近い。
チルウェイヴシーンの一角を担った、アラン・パロモを中心人物とするシンセポップ・バンドの新曲。ラテンのリズムが特徴的な、最高の夏を予感させる一曲。ファーストの頃の奔放さが戻ってきたような気がして、今年リリースされるであろう新作が楽しみです。
Tame Impala - Cause I'm A Man
オーストラリアのサイケデリックロック・バンド、いよいよリリース間近の新作から。ゆったりとしたベースラインが紫煙の立ち籠める向こう側へ誘う、激烈にメロウなサイケR&B。あまりに楽しみなので、逆に聴かないようにしています。
Tobias Jesso Jr. - Without You
カナダのSSWのデビューアルバムから。比較対象としてジョン・レノンの『イマジン』が挙がるほどの、美しい歌声とピアノの調べが堪能できる一曲。
U.S. Girls - Damn That Valley
イリノイ出身のメーガン・レミーによるプロジェクト、4ADからリリースする新作から。くぐもったベースが弾むダブトラックに、メーガンの甲高いボーカルが乗るアヴァン・ポップ。独特な雰囲気を持つ低予算のビデオと相まって、非常に不思議な気分に陥ります。