マイクロキャッスル

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『フランク』とジンジャーのクルトン

 レニー・アブラハムソン監督作品、『フランク』を観た。被り物を決して脱がない奇妙な男、フランク率いる「ソロンフォルブス」のアヴァンギャルドな楽曲が非常に高いクオリティで驚いた。音楽好きには二度美味しい作品かと。

 巨大な張りぼてのマスクを被り、人前では絶対に素顔を見せない、正体不明のカリスマ・ミュージシャン、フランク。彼が率いるアヴァンギャルドでイカれたインディー・バンド「ソロンフォルブス」に加入した、ロックスターに憧れる田舎青年ジョンは、とんでもなくエキセントリックで、でも驚くほどクリエイティヴなフランクの才能に心酔していく。「あのマスクの中にいったいどんな秘密が?」。やがてインターネットにアップした動画がセンセーションを巻き起こし、アメリカで開催される音楽祭からオファーを受ける彼ら。だが、バンドを意のままに操り、みんなに認めさせたいジョンと、大勢の前で演奏することを拒むクララたちメンバーの亀裂は深まり、遂に情緒不安定になったフランクは暴走して―。

 

映画『FRANK -フランク-』公式サイト

 フランクを演じるマイケル・ファスベンダーの、表情を封じられた上での演技力とか、説得力のある歌声とか素晴らしい。バンドメンバーであるテルミン使いのクララも強烈なキャラクターで、演じたマギー・ギレンホールは『ダークナイト』でヒロイン役だったけれど、今回はやたら老けて見えたなあ。ほうれい線大事。コメディでありつつ、暗い側面も、美しい瞬間も併せ持ち、観る者を複雑な感情に至らしめる作品だった。

 イギリスのミュージシャン/コメディアン、フランク・サイドボトムがモデルだそうで。

FRANK

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