マイクロキャッスル

Try to Describe It All

 三年ほど通っている美容院がある。ちょうど私と同い年の男性が担当してくれていて、気心も知れるのでありがたい。ただひとつだけ気になるところがあって、その人が濡れた髪をタオルで拭いてくれるときに、耳の中へタオル越しに指を突っ込んでグッと押し込んでくるのが痛い。強く押し込んでいるわけでもないのだけど、変なツボに当たるのか、体がビクつくくらいの衝撃が走る。通い始めの頃、一度もろにビクついたらしく、「痛いですか?」と訊かれたにもかかわらず、「あっ・・・大丈夫です」と変に気を遣ってしまって以来、いまさら言い出せないし困っている。気心が知れると言ったな、あれは嘘だ。

 以下は、年が変わる前に触れておきたい三枚。

 LAの弱冠21歳のシンガー、ティナーシェのデビューアルバム。デヴ・ハインズ、スクールボーイQ、フューチャー、エイサップ・ロッキーといった豪華な客演陣が脇を固め、アルバムタイトルとアートワークに象徴されるような、透き通った、いい意味で抑制された作品。このジャケット写真はとても好みなのだけど、画像検索すると「角度によって顔変わるな・・・」といった印象。

Aquarius

Aquarius

 

 40年以上のキャリアを誇るイギリスのフォークシンガー、ヴァシュティ・バニアンの9年ぶりのサードアルバムにしてラストアルバム(と公言しているらしい)。とにかく一曲目の "Across the Water" に限る。静謐なアンビエント・フォーク。

Heartleap

Heartleap

 

 チルなエレクトロニック・ミュージックを鳴らす、mus.hiba(ムシバ)のデビューアルバム。「雪歌ユフ」というボーカロイド的なものに歌わせているのだけど、抑揚のないウィスパーボイスで、幻想的なトラックと深く噛み合っている。基本的にドリーミーではあるものの、影響を公言するフライング・ロータスを感じさせる瞬間もあれば、OPNのように無軌道なトラックもあって面白い。

White Girl

White Girl